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東京大学理学系研究科西郷薫教授らの研究成果であるキメラ型RNAi(二本鎖RNA/DNA Chimera、略称dsRDC)は、
安定性・免疫低誘導性等の面からsiRNAに比べ動物実験に適しており、多くの成功事例があります。


キメラ型RNAiは、弊社が誇る最も強力な製品で、siRNAの一部をDNAに変えたものです。
2本鎖の核酸をdsRDC(double-strand RNA DNA Chimera)と呼び、dsRDCによって引き起こされるRNAi現象をキメラ型RNAi等と呼びます。これらは弊社独自の呼称です。
dsRDCの最も一般的な形式を、dsRNAつまりsiRNAの表記に重ねて書くと下記のようになります。
黒大文字の部分が通常のsiRNA配列、赤小文字の部分に入れ替えた配列がdsRDCの配列です。


書き換えると、センス鎖、アンチセンス鎖それぞれ5 → 3方向に、DNA部分を小文字表記して、
下記のようになります。方向をそろえているので、DNA部分が一見右左逆に見えることに注意してください。


>order RNA representation
siRNA_name CGCUGGAUACGAAUAGACACU UGUCUAUUCGUAUCCAGCGCC
>order Chimera representation
dsRDC_name CGCUGGAUACGAAtagacact tgtctaUUCGUAUCCAGCGCC



配列設計法は、siRNAの場合も、dsRDCの場合もまったく変わりません。
弊社のsiRNA配列設計法をそのまま適用することができます。
siRNAに比べて、dsRDCの利点は概ね以下のようなものがあります。

(1) 安定性が非常に高い
RNaseに対する耐性が高く、保護剤がない場合でも、血清中で約24時間検出可能であることが確認されています。siRNAは血清中では、数時間で完全に分解されます。このため、動物実験において、siRNAよりも有利であると考えられます。


(2) 免疫応答誘導性が低い
dsRNAではないので、細胞に対する免疫応答の誘導性が低い、つまり、物質としての細胞毒性が低くなると考えられます。
また、保護基を通常必要としないため代謝産物が生命体由来のものです。これも、siRNAに比べて動物実験に適する理由です。


(3) 製造コストの低減が可能
RNA合成単価に比べてDNA合成単価は極めて安価であるため、 大量合成の際には、総コストを大きく低減できる可能性があり、 現在研究が進んでいます。


(4) 複雑な特許問題が無い
キメラ型siRNAの技術は、平成18年5月に特許成立(特許3803318号)した、東京大学理学系研究科西郷薫教授等研究成果で、近々欧米、中国、インド等で成立の見込みです。



キメラ型RNAiは、siRNAの弱点を克服したもので、動物実験と共に、実験結果が安定しない感受性の高い細胞実験で威力を発揮しています。
弊社では、in vitroの実験は従来どおりsiRNAを、in vivoや スケールアップ13 の実験にキメラをおすすめしています。これは、in vitroの実験では、キメラを利用する優位性が大きくないためでもあります。実際に、キメラを利用した共同研究先での複数の成功例があり、そのうちいくつかは論文化されています。
キメラはin vivo以降にその強みを発揮する新しいRNAiツールだと言えます。もちろん、オフターゲット検索等、オーダーメードsiRNA設計で培われた弊社の全技術がdsRDCの設計にもフルに生かされています。